遺言イメージ

遺言による財産取得の本当の効果

一人暮らしの祖母と新居で同居することになりました。
その際、祖母がそれまで住んでいた自宅を売却したことで得た売却代金の一部を贈与してもらうことになりました。

もちろん、贈与を受ければ贈与税が発生してきてしまいます。
ただ、贈与税には住宅取得等資金の非課税制度というものがあります。

これは、親や祖父母などの直系尊属から住宅購入のための資金の贈与を受けた場合、
贈与税の課税上において一定額(平成24年の場合1000万円)が非課税になるという制度です。
この制度を利用したため、贈与してもらう予定だった金額の大半は非課税とすることができました。

しかし、その贈与されたお金については電化製品や家具など住宅以外の購入資金にも充てるつもりでした。
これらのために使う場合には贈与税が発生してきてしまうため、これをどうするのかが問題になりました。
贈与税の課税上では、扶養義務者相互間において生活費や教育費に充てるために贈与により取得した財産で通常必要と認められるものについては非課税となるそうです。

例えば、親が子供の教育費や生活費を出す場合には贈与税を課したりしないという感じです。
では、今回の場合も非課税になるのかというと、いろいろ調べてみたのですが結局分かりませんでした。
下手をして高い贈与税が発生してこられるのは避けたいところです。
そこで、祖母のお金を贈与してもらって家電製品や家具などを購入するという形ではなく、
祖母が自分のお金でこれらを購入して祖母の所有物とし、その上で亡くなった時に財産を相続により取得する形にしました。

ただ、この対策には欠かせないものがあります。
それは遺言書を書いてもらうことです。

祖母は自宅を売却した際に、その売却代金の一部を子供2人にあげています。
その際、祖母の老後の面倒を見ることを条件に孫の自分もその一部をもらえることになったため、
もし相続が始まったとしても、祖母のお金で購入した家電製品や家具などについて相続問題が発生するわけではありません。

それでは、なぜわざわざ遺言書を書いてもらう必要があったのかと言うと、
自分は“相続”できないからです。

故人の遺産をもらうことをよく“相続”と言いますが、これは正確ではありません。

相続とは、相続権を有する者が故人の遺産を取得することを言います。
そのため、相続人以外の者が“相続”により故人の遺産を取得することはできません。
故人の遺産を取得する方法は「相続」と「遺贈」のいずれかです。

遺贈とは、故人が書いた遺言書により財産を取得することで、相続人以外の者が故人の遺産を取得できる唯一の方法となります。

例えば、相続人である故人の子供が高齢である場合、協議をして故人の孫に取得させるということも考えられますが、これはできません。
孫は相続人ではなく、また遺言書もないためです。
そのため、この場合は相続人である子供が相続により遺産を取得し、その後、その遺産が孫に贈与されたとみなされてしまうため、相続税と共に贈与税が発生してきてしまうのです。

このようなことがあるため、祖母が購入した家電製品や家具などを孫である自分がもらうためには遺言書を書いてもらう必要があったのです。
一般的に遺言書を書いてもらうと言えば、他の相続人にその遺産が渡らないようにするためというイメージが強いですが、遺言による財産取得には相続人以外の者が遺産を取得できるようにするという効果があるのです。

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