遺言イメージ

もしものときのために書いておくべき遺言

現在の日本では、平均寿命が70から80年となり、長寿大国となっています。

しかし、あくまでも平均寿命であり、自分の身にいつ死が近づいてくるのかは誰にもわかりません。
もし、不慮の事故で唐突に死んでしまった時、今までの後始末はどうするのでしょうか。
残していた財産で親族の諍いを起こしてしまっては死ぬに死に切れません。
そのような時に必要となるのが意思表示を表す遺言です。

実際に、父方の祖父が亡くなった時、私の父とその兄弟で揉め事が起きました。
父は次男でしたが、祖父が亡くなる前に献身的に介護を行っており、葬式の時も長男の叔父や祖母に代わって喪主を務めました。

それに比べ長男である叔父は――親族を悪く言うのも気が引けますが――自由奔放な方であり、
祖父の面倒は一切見ず、危篤の知らせが入った時ですら地元へと帰らないぐらいでした。

そして、いざ祖父が亡くなったと聞けば実家へと戻り、財産分与の話を始めました。
基本的に見れば、祖父の財産は祖母にその2分の1、叔父は2分の1の3分の2、父は2分の1の3分の1となります。
どちらも祖父の介護に従事しており、同等の労働を働いていたなら、この分配率にも納得がいきます。

しかし、何もしていなかった叔父より、働きながらも必死に祖父の介護をしていた父の相続分が少ない
というのは、幼かった私から見てもおかしいと思いました。

しかし、遺留分は法律で決まっており、個々の意思で勝手に変えるわけにはいきません。

そんな時、祖父の遺言が遺品から見つかりました。
内容は遺産の分割方法の指定であり、結局それが決め手となり、
父が遺産の2分の1と土地の権利を相続することとなりました。
このように、自身のために働いてくれた者を指定し、
財産を分け与えるなど――過失がなければ――自分の思うように相続させることができます。

しかし、いつ死ぬのかわからない上に、面倒くさいと思う方がいると思います。
私も実際に前述のような経験が無ければそう思っていました。
なので、簡単に方式だけ説明してみようと思います。

まず、基本となる書き方ですが、大きく分けて普通方式と特別方式の2つにわけることができます。
今回、この記事を見ている方が健康であると仮定して、特別方式の説明は省きます。

普通方式は自分の意思がしっかりと保てていることが前提であり、

1.記述する前文と日付、氏名をすべて自分の手で書き(つまり、ワープロ等は不可)、押印をした自筆証書遺言、

2.公証人となる方の面前で口述し、その旨が間違っていないかを書いた当人と立会いの証人(2人以上)が確認し、共に署名や押印をした公正証書遺言、

3.記述したものに署名や押印をし、封印した後、公証人と証人(2人以上)となる方々の面前で自身の遺言であることを進言し、その方達に封印した袋に署名や押印をしてもらう秘密証書遺言の3つがあります。

2.と3.は確かに自身以外の人を集めなくてはならないため面倒ですが、
1.に関してはそのようなことはありません。

気軽に――というのは些か言いすぎですが――自分の思った通りに事を運ぶことの準備ができるわけです。
また、もし、その間に心変わりをして、財産分与の処分方法や方法の指定を変えようと思えば、
前に書いたものを残さず破り捨て、また違ったもの書けばよいのです。
何も「遺言」という厳かな雰囲気に負けることはありません。
いつかは私たちに必要となるものなのですから。

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